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26.宮川泰と、そのすばらしい音楽世界

宮川泰が作曲した「ふりむかないで」(ザ・ピーナッツ)。EP盤のジャケット写真。ぼくにとって、宮川泰(みやがわ ひろし)が亡くなったという厳粛な現実からくる喪失感は想像以上のものだった。もちろん、一面識もないけれど、彼がこの世に現出させたすばらしい音楽はレコードを通じてぼくの胸に刻み込まれ、既にぼくの一部になっていたのかもしれない。

ぼくがいうまでもなく、宮川泰は60年代以降の日本の歌謡ポップスを飛躍的に発展させた大功労者の一人であろう。

大変、抽象的な表現になるが、欧米の軽音楽の影響を受けつつもその単なる模倣にとまらず、それらの真髄、あるいは本質を把握し、じゅうぶんに咀嚼した上で日本のリスナーの耳になじむ作品をつくる。それは翻案というより、再創造と言った方が適切かもしれない。

こうした試みは、すでに戦前において服部良一に代表される音楽家たちが実践していたが、宮川泰はその正統な後継者の一人である。

彼は「渡辺晋とシックスジョーズ」のピアニストであった関係からか、作編曲を手がけたのも渡辺プロダクション所属の歌手が多いように感じる。

そして、その中でも、宮川泰が最も多くの作品を提供したのはザ・ピーナッツに対してだろう。

諸説あるが、名古屋のクラブで歌っていた伊藤姉妹(後のザ・ピーナッツ)をスカウトし、上京した彼女らに歌のレッスンをしたのは宮川泰のようだ。彼の二人に対する思い入れは、やはり格別のものだったのではないだろうか。

訃報を聞いた今、宮川泰と伊藤姉妹という二組の天才の偶然の出会いは、何か奇跡的な出来事であったような気がしてならない。

宮川泰とザ・ピーナッツのコンビが生んだ作品はどれもこれも素晴らしく、微塵の隙もない完璧さを持っている。彼の作編曲した音楽を二人があますことなく具現化しているというべきだろうか。

宮川泰が編曲した1960年発売の「ジングル・ベル」(ザ・ピーナッツ)。EP盤のジャケット写真。特にぼくが驚愕したのは、ザ・ピーナッツが60年に初めてリリースしたクリスマスレコード「ジングル・ベル/サンタクロースがやってくる」(キング、EB-395)である。このスタンダードナンバーで宮川泰が試みたジャジーなアレンジメントはあまりにも凄く、普通の歌手ではとうてい歌いこなせないものと思う。聴きながら自然と感情が昂ってくる名盤であろう。

ザ・ピーナッツに提供した作品の中で、作曲家としての宮川泰のすばらしさを端的に示しているのは、「ふりむかないで」(62年発売)だろう。当時のアメリカンポップスと比較しても何ら遜色をとらない、いや、凌駕しているとさえ思える抜群のできばえである。冒頭の「Yeah Yeah Yeah」というのびやかなスキャットの輪唱、それに続く「ふりむかないで」の大胆な譜割りが生み出す弾けるような明るさ。岩谷時子の描くティーンエイジャーの繊細な内面の表現もすばらしい。いつ聴いてもハッピーな気分にさせてくれる名曲と思う。

すばらしい音楽を残してくださった宮川泰氏に深く感謝するとともに、心から冥福をお祈りいたします。

18.3.24


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