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12.小山ルミ〜魂を危うくさせる曲(その1)

小山ルミ。右下になぜヒトラーの写真があるのかはよくわからない。

ぼくにとって「魂を危うくさせる曲」とは何かと考えるとそれは結局、「いつもの精神状態を保てなくさせる曲」ということになると思う。それはもちろん、自分がどうにかなってしまうのではないかと感じるほどの感動を与えてくれる曲を含むが、それに限らず、あまりにもとんでもなくて、常軌を逸しており、理解しがたい曲もぼくにとっては「魂を危うくさせる曲」なのである。当然、「とんでもない」曲は激しく心を揺さぶる(感動させる)から、両者を峻別するのは困難である。

こんなことを書こうと思ったのは、最近、小山ルミの曲をまとめて聴いて、極めて魂が危うくなったからである。

ぼくは小山ルミのレコードは「さすらいのギター」と「恋のマイアミ・ビーチ・ルンバ」の2枚しか持っていない。一度、「はじめてのデート」を中古レコード店で見かけて、買おうと思ったが、同時に小畑ミキの「ジェーン・ジェーン」も見つけてしまって、迷いに迷い、呻吟に呻吟を重ねた末に「ジェーン・ジェーン」を買ってしまった。今から思うと両方買っておくべきだった。(←後悔先に立たず)まあ、「ジェーン・ジェーン」もいいレコードで、小畑ミキの「愛してる〜」というボーカルを聴いて脳内ぐちゃぐちゃ状態になったのは確かである。

とはいえ、小山ルミのデビュー曲を買い逃したという忸怩たる思いはやはりあって、そのために先日、渋谷のHMVで彼女のCDを衝動買いしてしまった。

「小山ルミ ヒット・コレクション」(ワーナ−WPC7-8587)

ぼくはこれを聴いて、あまりにもすさまじい歌唱に魂が危うくなった。特に7曲目の「グット,,がまんして!!」を聴いたときには頭がおかしくなりそうになった。この曲はそれほどとんでもないのである。それでいて麻薬のように何回も聴きたくなる魔力がある。

念のため、申し上げておく。この曲は重要な試験とか、試合とか、商談とか、そういう重大なことがある前に間違っても聴いてはいけない。一気に気合が抜けること必至だからだ。少なくともぼくはこの曲を聴いて腰が抜けた。「グット,,がまんして!!」のために一生を左右されることになったとしたらそれこそ人生の痛恨事だろう。逆に、何か嫌なことがあったらこの曲を聴くといいかもしれない。小さなことに深刻に悩んでいることがおそらくはばかばかしくなるだろう。これは人一倍徒らに悩んできたことにかけては藁一すじの自負があるぼくが言うのだから間違いない。(ああ、説得力がない...。)

「グット,,がまんして!!」はまさしく「ドゥビドゥビ」「パヤパヤ」歌謡、それもその典型といってもいい曲だと思う。何といっても「シュビドゥビドゥビドゥビドゥドゥビドゥバ」のリフレインではじまり、「パパパヤパパパパヤパ」と続くのだから、これほどわかりやすいことはない。曲のドライヴ感といい、どこか日本的なメロディーラインといい、「こまっちゃうナ」(山本リンダ)に似ているような気がしたので、彼女がミノルフォン在籍時代に出したLP「こまっちゃうナ リンダのヒットメロディー」を聴き直してみた。確かに似ている。しかし、曲、詩、歌唱のどれをとっても「グット,,がまんして!!」は「こまっちゃうナ」よりはるかにエキセントリックで病的でパッションに満ちている。ちょうど曲全体が熱にうなされているような感じがする。「さ〜けんじゃお〜かな〜」というけれど、こちらこそこの曲を夜中に聴いて叫びそうになった。

小山ルミの歌唱は音程をはずすことも多いが、全くそんなことはおかまいなしに何かにとりつかれたかのように一心不乱に歌い上げる。非常に情念深いのだ。ぼくの魂を危うくさせるのはその点にある。例えば、「孤独の街角」(このCDの14曲目)における強烈な「うなり」には恐ろしさすら感じる。外から付け加えられたものではない底知れぬ情熱が彼女の中に渦巻いているのだとぼくは感じる。

(つづく)

11.3.4

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