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(2)モナ・ムール、梅木マリ

彼女の曲の中でいちばん好きな曲を選ぶというのは、ピーナッツにおけるのと同様、大変難しい。しかし、あえて選ぶとすれば、この曲を選ぶだろう。

「モナ・ムール」(LP「可愛いグッド・ラック・チャーム」東芝JPO-1235 A面第4曲 作詩:三田恭次 

ぼくはこのホームページのタイトルを梅木マリのこの曲からお借りした。梅木マリは梅木マリらしい曲しか歌わないが、この曲は、そんな彼女を象徴する曲だと思う。しかし、この曲はシングルカットされていない。LP「可愛いグッド・ラック・チャーム」をどうしても手に入れたい理由の一つはこの曲をオリジナル盤で聴きたいためである。

ぼくが彼女にこれほどひかれるのは、そのボーカルを通して彼女の精神的な美しさ、心の清潔さを感じるためである。彼女とは、数少ない資料と写真とレコードでしか接していない。しかしながら純真無垢で天真爛漫な、汚れを知らない心を感じる。ぼくはすっかり汚れてしまっている。しかし、彼女の曲を聴いていると、汚れた心が清められるような気がする。一種のカタルシスが得られるのである。「純真無垢」とか、「天真爛漫」とかいう言葉は、文字自体からしてすでに美しい。これらの言葉はほめ言葉以外に使われてはいけない。決して、ひとをからかったり、悪しざまに言ったりするときに使われるべきではないと思う。

彼女は文字通りの「お嬢様」である。「伯爵令嬢」、戦後、華族制度が廃止されたから、正確には「元伯爵令嬢」なのである。彼女の本名は「梅原真里子」という。三姉妹の末っ子である。(この梅原伯爵家について調べようと思ったが、調べられなかった。国会図書館は何とか、せめて毎週土曜日に開館するようにしていただきたい。)そして、いい意味で「お嬢様」らしからぬところがある。

彼女には近寄りがたい感じはしない。気軽に話してくれそうな気がする。ぼくが冗談を言ったら、笑い転げてくれそうな雰囲気がある。彼女はちょうど、「ローマの休日」においてローマの街に出てきてしまったアン王女のようなものだ。何かの拍子に一時期、芸能界に出てきて、去っていった歌が大好きなお嬢様のような気がする。彼女はきっと、アン王女のように愛らしい、妖精のようなひとだったのだろう。

彼女のボーカルはひたむきである。実にきりりとした凛々しさがあり、芯の強さがある。彼女の歌手としての実力は、過小評価されているように思う。彼女は決して、「かわいい」ただそれだけの存在ではない。いくつかのカバーポップスが競合した場合、弘田三枝子がことごとく他の歌手を断然、圧倒しているとぼくは思う。しかし、ぼくが知る限りでは、この時代における唯一の例外が「シェーナ・シェーナ」である。これは弘田三枝子ファンのぼくであっても、梅木マリに軍配をあげる。この曲に関しては、弘田三枝子でもなく、伊藤アイコでもなく、彼女なのである。彼女の歌唱のすばらしさ、それを最も感じるのが、冒頭にあげた「モナ・ムール」である。少女歌手にありがちな、なよなよとしたおぼつかなさが微塵もなく、毅然として歌い上げている。歌うにつれて膨らんでいく自らの胸の高なりをものの見事に表現してみせている。それを聴くぼくも彼女にすっかり感情移入してしまい、ラストの「とても素晴らしいその調べだけを...」のところなどは彼女といっしょに感極まってしまう。実にけなげである。

三田恭次の歌詞もすばらしい。この歌詞は彼女以外の歌手には歌えない。歌ったとしても、梅木マリほどの真実味をぼくは感じないだろう。彼女がもつ精神的な美しさと彼女の歌に対するひたむきな気持ちとがあいまって、少女の恋愛感情を気高く、格調高く描いた歌詞がこれ以上ないほどの真実味を帯びて、聴くぼくの胸に響くのである。

「モナ・ムール、梅木マリ」

愛と幸せをふりまきにやって来たこの小っちゃな可愛い天使をぼくは決して忘れないだろう。

みんなが可愛がって呉れなかったために何処かへ消えていってしまったけれども。

12.2.5

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